今回は、書籍『フィンランド人が教える本当のシンプル』(モニカ・ルーッコネン著)から、
フィンランド人が考えるシンプリストとしての考え方を紹介したいと思います。
日本の書籍はいわゆる「断捨離」の考え方に基づく本が多いですが、
本書はもっとシンプルな「今ある物を大切にする」という考え方に基づいています。
全体的に、「エコでありながら、スタイルのある生活をする」という軸があってかっこいいです。
日本は、安くて良質なものがすぐに手に入りますが、それに甘えて
「物を使い捨てることを前提にした買い方」は避けたいですよね。
これからの地球に優しい生活様式のヒントが、この本には現れていると思います。
それでは紹介していきます。
身近な道具をデザイナーで選ぶ
フィンランドの人々が物を買う時はシンプルで素朴で、価格のバランスが取れているもの、
という基準の他に、「誰がデザインしたか」という基準があります。
これ、私には全く無かった視点でした。
「ユニクロ」や「無印良品」といったメーカーで選ぶことはあっても、
デザイナーで選ぶという視点はなかったのです。
組織よりも人に注目するフィンランドの人々らしい考え方です。
デザイナーで選ぶことによって物への愛着が強くなり、修理しながら
10年、20年と使い続けるのがフィンランドの人々です。
この考え方は、私にはとても新鮮でした。
服などの外側のものよりも、自分という内側を充実させる
フィンランドのことわざには、「みにくい人ほど、きれいな服を着てみせびらかす」
というものがあるそうです。
もちろんオシャレを否定しているわけではなく、
「必要以上に着飾るのは、自分に自信がない証拠」と考えているようです。
これとセットの考え方が「自分のスタイルを持つ」です。自分のスタイルを持っていれば、流行のアイテムを追う必要が無い=愛着のあるものを長く使うことができるという考え方です。
「デザイナーで選ぶ」と合わせて考えると、フィンランドの人々は、「自分で愛着の持てるスタイルを自分自身で選んで、実践すること」を重視しているように思います。
自立が徹底されているフィンランド教育の影響がありそうです。
人生で大切なことは仕事だけではない。自分や家族を大切にする時間も大切
フィンランドの社会では「人生で大切なことは仕事だけではない。自分や家族を大切にする時間も大切」という考え方が浸透しており、会社や学校もこの考え方が当たり前となっています。
だからこそ、仕事は8時から16時までで、その後は家族や自分の時間として大切に過ごします。
本書は一見、物を減らすための本のようにも見えますが、
仕事や人生の過ごし方についてもシンプルな考え方を教えてくれています。
日本では「忙しい方が偉い」という風潮が未だにありますが、
本書では「忙しく見せたいのは虚栄心」とバッサリ切り捨てています。
他人からどう見えるか、ではなく、自分はどう在りたいのか、
自分の人生をどう過ごしたいのかということをフィンランドの人々はしっかり持っているのです。
これは、家族や社会との絆が希薄となりつつある私達日本人がよく学ばなくてはならない思考です。
これが無い限り、働き方改革も出生率の向上もないでしょう。
終わりに
今日は、『フィンランド人が教える本当のシンプル』(モニカ・ルーッコネン著)から、
フィンランド人が考えるシンプリストとしての考え方を紹介しました。
シンプリストといえば合理的なイメージを持ちますが、実際はもっとアナログで地味です。
それでも自分のスタイルを持っていれば、エコで長持ちで、いずれ歴史を伴ってかっこよさが出てくるものとなります。
目先の合理性を追い回すのではなく、自分の軸を持って長い目線で生きていく。
そんな考え方を本書から学んだように思います。
ミニマリストとは違う、シンプリストとしての考え方を学びたい人は、ぜひ手にとってほしい一冊です。
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