フィンランドでは、総合教育を終了すると、後期中等教育に進学できます。
フィンランドの後期中等教育とは、日本の高校に相当します。
後期中等教育の他、より実践的な職業教育(Vocational education)を選択することもできます。
後期中等教育は、職業教育に比べてよりアカデミックです。科目は、言語、数学、自然科学、社会科などで、一部の学校では芸術もあります。
総合教育と同様、特別な分野に才能がある場合は、音楽、体育、自然科学に特化した特別学校に通わせることもできますが、入学のハードルは高くなります。
後期中等教育を修了すると、高等教育(応用科学大学や大学)を受けることができます。
後期中等教育への入学手続き
後期中等教育に進学する場合、オンラインで入学申請することになります。
オンライン申込みは1回の申請で最大5つの学校を同時に申込むことができます。詳しくはこちら。
5つの学校には優先順位をつけることができ、優先順位順に合格可否の判定がされます。なお、優先順位は応募期間中であれば何回でも修正可能です。
応募期間は毎年2月~3月です。
注意しなければならないのは、「インターナショナルスクール」と「英語で授業を教える学校」はオンライン申し込みの対象外であることです。
これらを申し込みたい場合は、個別に学校に申請します。入学要件、応募期間等は各学校のホームページで確認しましょう。
後期中等教育内容
後期中等教育は通常3年間ですが、2年~4年で修了することもできます。
授業は必須科目のほか、自分の興味に合わせてさまざまな選択科目を選ぶことができます。
フィンランドでは、後期中等教育から学習内容や進度をある程度、自分で決めることができるようになります。
対面式教育のほか、事情がある場合(長期不在や病気など)はオンライン授業を受けることもできます。
後期中等教育は義務教育ではないのですが、授業料は税金でまかなっているために無料です。また、2021年秋以降に入学した場合は、教科書まで無料配布されます。素晴らしいですね!
通常の受領のほか、移民の大人を対象にフィンランド語講座を開講している学校もあります。
親子留学を考えている場合は、ぜひこうした学校も選択肢に入れてみましょう。
高等教育を受けるための入学試験
後期中等教育の大きな目的の一つは、3年間の学習を通じて、高等教育を受けるための入学試験(ylioppilastutkinto)を準備することです。
この入学試験は、フィンランド語、スウェーデン語、サーミ語で受けることができます。
試験必須科目は国語+最低3つの科目(以下から選択可能)です。
- 第二言語(フィンランド語またはスウェーデン語)
- 外国語(英語、ドイツ語、ロシア語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ラテン語)
- 数学
- 科学と人文科学(歴史、宗教、物理、化学、生物、心理学、哲学などの一般教養)
入学試験は春と秋に2回行われます。1回の試験で全部受けることも、春と秋の2回に分けて一部ずつ受けることも可能です。
後期中等教育の予備教育
フィンランド語やスウェーデン語を母国語としない移民は、後期中等教育の予備教育(LUVA)に申し込むことができます。
この予備教育(LUVA)では、フィンランド語をはじめ、後期中等教育で必要とされる様々なスキルを向上させることを目標としています。
予備教育は通常1年で、フィンランド語またはスウェーデン語が上達して、通常の授業についていけるようになったら、通常クラスに編入することになります。
フィンランドは、移住したばかりで言葉が分からなくてもサポート体制が整っています。
この点は、子連れで移住するときにフィンランドを選ぶ大きな決め手になります。
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