フィンランド移住のすべて ~20のチェックポイント~

フィンランド移住

海外移住は人生の一大プロジェクトです。

「一大プロジェクトって、どれぐらい大変なの?」

「何から始めればいいの?」

という声も聞こえそうなので、今日はフィンランド移住の全体像をわかっていただきたく、22のチェックポイントをまとめてみました。

個々の詳細については、またおって紹介しますので、今日は「へえ、フィンランド移住ってこんな感じなんだ」と、ざっくりつかんでいただければと思います。

フィンランドへの移住前

在留許可

EU及び北欧以外の国からフィンランドに移住する場合は、在留許可が必要です。

最もポピュラーなのは、

  • 家族のための在留許可(国際結婚の場合)
  • 留学のための在留許可(留学先が決まっている者に限る場合)
  • 就労のための在留許可(就労または起業)

でしょうか。

自分がどんな在留許可を申請できるか、シミュレーションしてみたい方は、こちらをご覧ください。

いくつかの質問に答えるだけで、在留許可の種類が特定できます。

特定の在留許可を申請するために、具体的な要件、添付書類等を確認したい方は、こちらをご覧ください。

在留許可についてもっと知りたい方は、前回のブログをご覧ください。


生計

どんな在留許可を申請するにせよ、許可されるには、フィンランドで十分な生計を立てられることを立証しなければなりません。

具体的には、残高証明書、雇用契約書、売上見込計算書、納税証明書などを添付書類として提出する必要があります。

その趣旨としては、

  1. 留学の場合は、少なくとも一年分の学費、生活費があることを証明するため。
  2. 就労や起業の場合は、その就労や起業によって十分な収入が得られることを証明するため。
  3. 家族と同居するためにフィンランドに移住する場合、家族を養うための十分な資金を持っていることを証明するためです。

それぞれ必要な数字は、在留許可の種類によって違います。詳しくはIncome requirementをご覧ください。

日本国内役所への届出

海外に移住する場合は、役所に海外転出の手続きが必要です。

海外に転出する場合、年金、社会保障、税金に影響があります。おすまいの役所に問い合わせた上で、手続しましょう。

フィンランドの生活費

フィンランドの生活費は、安くはありません。

例えば、食品や多くのサービスはヨーロッパの平均よりも高いです。

また、都市か地方かによって、家賃も大きく変わります。

全体的な印象としては、日本(東京)とほぼ変わらないくらいです。ただし、日本みたいに安くて美味しい外食はあんまり期待しないほうがいいでしょう。

EU域外からの引越し・荷物

EU圏外からフィンランドに移住する場合、通常、荷物に対して関税や付加価値税を支払う必要はありません。

ただし、以下のようなものについては、フィンランドの税関当局に持出品を申告する必要があります。

  • ペット
  • 自転車、モーターサイクル
  • 個人使用目的の自動車、トレーラー

なお、免税対象に、酒・たばこは含まれません。これらの輸入には別途制限がありますので、ご注意ください。

詳しくはTulli-Customsをご覧ください。

自動車の持ち込み

自動車の持ち込みに関しては手続きが多いです。

自動車をフィンランドに持ち込む場合は、税関に申告しなければなりません。

申告してもすぐ使えるわけではなく、その前に登録手続きを済ませ、自動車税(autovero)を支払わなければなりません。

自動車税を支払う前に、一時的に車を使用することは可能ですが、そのためには、税務署に自動車の委託通知(auton käyttönottoilmoitus)を行う必要があります。

また、持ち込んだ自動車にはフィンランドで有効な自動車保険(liikennevakuutus)をかけなければなりません。

EEA域外から車を持ち込む場合は、道路で使用する前にtransfer permit(車検場や税関で発行)と、運転届出が必要です。

自動車税や委託申告についてのご質問は、税務署のテレフォンサービスをご利用ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

ペットの持ち込み

フィンランドにペットを連れて行きたい場合は、動物の輸入に関する規則を事前に調べましょう。

予防接種が必要だったりしますので、事前に済ませておきましょう。

ペットの持ち込みは、フィンランド食品安全局(Ruokavirasto)の管轄になります。

規則等についての詳細情報はこちらへどうぞ。

引越し業者

引越し業者を探すときは必ず、相見積もりを取りましょう。

値段だけでなく、サービスの内容、納期、保険等も含めて納得の行く業者を選びましょう。

フィンランドの引越業者の相場が気になる方は、Muuttopalvelu NiemiViktor EkAlfa Quality Movingをご覧ください。

フィンランドへの移住後

住居と住宅保険

フィンランドに移住する場合、最初は賃貸物件に住むことになります。

シーズンにもよりますが、ネットで賃貸物件の候補を探して、内覧、契約となると、意外と時間がかかります。

1ヶ月は余裕を持っておくと良いでしょう。

その間はAirbnb、マンスリーあるいは、ホテルに短期滞在することをおすすめします。

賃貸物件を契約したら住宅保険(kotivakuutus)に加入します。

ただ、住宅保険加入は、契約事項として指定される場合もあれば、契約料金に保険が含まれる場合もあります。契約書をしっかり確認しましょう。

別途契約する必要がある場合は、保険会社で購入しましょう。

フィンランドの個人ID

フィンランドの在留許可がおりると、自動的にフィンランド人口情報システムに登録され、個人IDが発行されます。

在留許可がおりたら、個人情報に間違いがないか確認しましょう。

間違っている場合は訂正依頼を忘れずに!

市区町村での居住地登録

フィンランドで教育、医療などの福祉を受けるためには、市区町村で居住地登録を行う必要があります。

登録を受けるには、少なくともAタイプ(continuous residence permit)かPタイプ(permanent residence permit)の在留許可が必要です。

ただし、Bタイプでも(temporary residence permit)でも、「1年以上滞在する予定があること」を示すことで、居住地登録を受けることができます。

例えば、2年以上の雇用契約、大学等の合格通知書(在学期間が2年以上の場合)をもっている場合や、既に1年以上滞在している場合です。

A、B、Pタイプの在留許可

ここで、A、B、Pタイプの在留許可について、簡単に触れておきます。

最初に在留許可を申請すると、有効期間が1年の在留許可が発行されます。

これをtemporary residence permit = 一時的な在留許可、略してBタイプといいます。

Bタイプの在留許可が切れる前に、延長申請をすると、今度は有効期限が2〜4年の在留許可が発行されます。

これをcontinuous residence permit = 継続的な在留許可、略してAタイプといいます。

Aタイプの在留許可を4年間連続取得していた場合、永住権を申請することができます。

永住権を取得すると、premanent residence permit = 永久在留許可、略してPタイプの在留許可が発行されます。

社会保障

フィンランドの社会保障機関はKelaと言います。

一般的にAタイプ、Pタイプの在留許可を取得すると、Kelaからいろいろな社会保障を受ける権利がもらえます。

例えば、児童手当、住宅補助、失業手当などです。

社会保障は申請主義なので、保障を受ける要件をクリアしたら、Kelaカードを申請して、各自で手続きします。

フィンランドの社会保障について詳しく知りたい方はKelaをご覧ください。

Calculator(フィンランド語かスウェーデン語しかない)では、各種手当てのシミュレーションもできるので、移住計画にぜひご活用ください。

銀行口座

フィンランドで銀行口座を作るにはパスポート、個人IDが必要です。

銀行ごとに口座維持費、振込手数料等が異なりますので、よく比較してみましょう。

また、Bタイプの在留許可の場合は、口座開設を断られる可能性もあります。

複数の銀行に問い合わせてみましょう。

タックスカード

フィンランドで就労または起業する場合、タックスカードが必要です。

タックスカードは負担すべき税率等が記載されたもので、税務署で発行されます。

税金は前年の課税所得によって税率が変わります。

前年の課税所得に基づく税率が記載された新しいタックスカードは、毎年1月に自宅に郵送されます。

公共交通機関

フィンランドの公共交通機関はとても便利です。

都市部に住んでいる場合、車を所有する必要はあまりありません。

バスや電車を使えば、フィンランドのほとんどの場所に行くことができます。

ちょっと遠い都市に行く場合は飛行機も使えますので、便利です。

ルート検索をして見たい方はこちらをご覧ください。もちろん、グーグルマップでも検索できます。

運転免許証

日本の運転免許証は、交換手続きをすれば、フィンランドでも使えます。

日本は、道路交通に関するジュネーブ条約またはウィーン条約の加盟国です。

これらの加盟国で発行された運転免許証は、条約により、フィンランドで2年間有効です。

ただし、フィンランドで運転をする場合は、フィンランドの人口情報システムに登録された後2年以内に、運転免許証交換手続きをしなければなりません。

期間内に交換しなかった場合は、フィンランドで別途運転免許試験(理論試験および実技試験)を受ける必要があります。

インターネット契約

フィンランドでインターネットを新規に契約する場合は、Traficomをご覧ください。

携帯電話

フィンランドの携帯番号を取得したい場合は、通話可能なSIMカードを買うか、プリペイドカードを買います。

SIMカードは各種通信会社、プリペイドカードはR-KIOSKや一部のスーパー、インターネットなどで販売されています。

健康

フィンランドには、公的医療サービスと民間医療サービスがあります。

公的医療サービスは市区町村のヘルスセンターなどがあり、民間より安いです。

ただ、医療従事者が不足しているため、すぐに予約できなかったり、予約しても長い時間待たされることがしばしばあるようです。

公的医療サービスは、市区町村に居住地登録を受けたら使うことができます。

最初に移住してまだ居住地登録ができない場合は、民間の医療サービスを利用することになります。

フィンランドの医療に関する詳しい情報は、追ってご紹介しますので、詳しくはHealthをご覧ください。

言語学習

フィンランドの公用語は、フィンランド語とスウェーデン語です。

市民権を取得しない限り、必須ではないですが、言語がわかると新しい社会に馴染みやすくなるのは事実です。

詳しくは第44回をご覧ください。

おわりに

以上、フィンランド移住における20のチェックポイントについて簡単にまとめました。

もし、「この部分について詳しく知りたい」という部分がありましたら、ぜひコメント欄に投稿してください。

ここまでお読みいただいてありがとうございました。

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